モーツァルト/室内楽作品

ピアノと管楽の為の五重奏曲/カルミネ・ピント(2023)

CD(Da Vinci Classics C00864)

ピアノ五重奏曲集
1.モーツァルト/ピアノと管楽のための五重奏曲
                  変ホ長調 K.452
2.ベートーヴェン/ピアノと管楽のための五重奏曲
                  変ホ長調 Op.16

 リンダ・ディ・カルロ(ピアノ)
 ルカ・ヴィニャーリ(オーボエ)
 アンジェロ・デ・アンジェリス(クラリネット)
 カルミネ・ピント(ホルン)
 エリセオ・スモルドーニ(ファゴット)
 録音 2023年3月
    ローマ、スタジオ・ミリアム

 ローマ歌劇場管弦楽団のソリストたちによるモーツァルトとベートーヴェンのピアノと管楽器のための五重奏曲です。
 モーツァルトのピアノと管楽器のための五重奏曲はフルートが抜けた木管五重奏とピアノのための作品でこの組み合わせの代表作のひとつです。1784年モーツァルト28歳の時の作品です。3つの楽章で構成されています。第1楽章のラルゴ〜アレグロ・モデラートはなじみ深い響きに始まります。カルミネ・ピントの美しいホルン、ヴィニャーリのオーボエ、アンジェリスのクラリネットなどによるモーツァルトは素晴らしい演奏です。ホルンが良く響きます。ピアノもよい響きです。主部からの快適な演奏は素晴らしいです。ファゴットの響きも素晴らしいです。ホルンも見事な演奏です。第2楽章のラルゲットはモーツァルトらしい美しさがあります。ピアノの良い響き、木管とホルンの響きは素晴らしい演奏です。第3楽章のアレグレットは親しみやすい主題に始まります。ピアノがきれいです。この楽しくなる主題はモーツァルトならではのものでしょう。オーボエやクラリネットもきれいに歌います。ホルンとファゴットもよい響きです。これは素晴らしい演奏です。見事なアンサンブルです。
 ベートーヴェンの「ピアノと管楽器の為の五重奏曲」も同じ変ホ長調でモーツァルト同様に愛されています。1796年ベートーヴェン25歳の頃に書かれています。モーツァルトよりもピアノのパートが重厚な作品です。なによりも第1楽章主部ではピアノが主題を提示しています。提示部の緊張感はモーツァルトでは感じられないものがあります。ベートーヴェンの音楽の重厚さも感じられます。リンダ・ディ・カルロのピアノも素晴らしい演奏です。ホルンも見事な演奏です。中間部ではクラリネットがきれいに歌います。オーボエもきれいです。ファゴットもよい響きです。素晴らしい演奏です。第2楽章のアンダンテ・カンタービレはピアノに始まります。そして各楽器に受け継がれていきます。オーボエがきれいに歌います。ファゴットもよい響きです。ピアノもきれいに響きます。中間部のホルン・ソロがきれいです。美しいカンタービレです。第3楽章のロンドもピアノの主題提示で始まります。ここはベートーヴェンらしい緊張感があります。そして流麗な主題もまたきれいなものです。クラリネットとファゴットがきれいに歌います。ピアノも素晴らしい響きです。オーボエもよい響きです。この演奏の素晴らしいこと、絶賛したいと思います。特にホルンのカルミネ・ピントの演奏は素晴らしいです。これは名演奏です。


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